9月も終わりました。暑さがなくなり、少しホッとしました。
ですが、これから秋冬に入っていき、withコロナの状況としては、未知のシーズンに突入なのです。
日本では感染者が増えているものの、重症者が少なくなって来ている
- ここで一つ、問題提起したいと思うのですが、
重症者が少なくなっているんです。東京の場合、4月頃は100人ぐらいいてたんです。それが、8月中旬では30人ぐらいにとどまっています。それはなんでなのかな、とふと気になりました。 - いろいろな理由があるかもしれませんが、以下は一応私なりの考えです。
- 集団免疫効果によって、コロナに強い人間の割合が増えた
- 夏なので、冬ほど重症化しにくい
- 医療従事者が重症化しないノウハウを獲得し、実践している
- それぞれお話してみます。
集団免疫効果によって、コロナに強い人間の割合が増えた
- これは確かに言えるかもしれません。スウェーデンで、集団免疫を獲得させるという試みがなされていた、というお話はどこかで耳にされた方もおられるかもしれません。
- しかしながら、スウェーデンではアンデシュ・テグネルという医師(かつ政府関係者)がロックダウンを行わないで乗り切ろうとしていたことで、死者がやや多くなってしまったことについて「改善の余地があることは明らか」であると今年9月末時点で認めています。
- コロナにかかることによって、免疫を獲得するのではと言われていますが、以前の記事でも書いたとおり、免疫は有効期限があります。ですので、どこまで正しいのかはわかりません。
- この方法が正しいのか、誤っているのか、まだまだ結論が見えないと思います。
夏なので、冬ほど重症化しにくい
- 人間は体温が高いほど、免疫力が動きやすいと言われており、これで重症化を免れているのかもしれません。
- よく風邪を引いたら、風呂に入らないほうがいいと言われたものですが、本当はやや熱めのお湯に入ったほうが治りやすいのですね。
- 免疫の主役である白血球が一番活性化するのが39℃近くであると言われています。なぜ?かといわれても説明が難しいですが、こういうことなので、人間はできるだけ温かい環境で生活するのが病気を避けたり治す上で重要なのです。
- これから0℃近い冬の到来です。できるだけ体温を下げないよう、工夫して行かないといけませんね。
医療従事者が重症化しないノウハウを獲得し、実践している
- 私はこれも可能性の一つとして大いにあるのではないかと感じております。
- 実は、最近様々な研究成果が出ており、未だに仮説の域を出ないのですが、感染している間に免疫力が変動している、という前提で考えるといろいろなことが見えてくるという話なんです。
- わかりやすく言うと、コロナにかかりはじめの頃には、白血球(特にT細胞と言われる細胞)が増加しているんですね。要は、異物と戦っているんです。しかしながら、何日も立つと、
次第に白血球が減少してきて、十分に戦えていない、という状態になってくるんです。 - 以前お話しましたが、これは細胞性免疫のタイプに分類されます。液性免疫(抗体が主役である免疫)ではありません。
- コロナにかかったときは、ステロイド剤が効く、ということで治療薬の一つとして使われているんですが、
白血球が減少してきたときにステロイド剤を投与してもあまり効果が得られないのではないか、ということも言われてきています。ステロイド剤はコロナに感染した場合は、いつ投与してもある程度の効果はあると考えられていました。 - また、必ずしもすべての患者に同じことが言えるわけではないので、なおさらですね(高齢者や子供、妊婦は特に)。
- ということで、白血球の数をカウントすることで、白血球が減少してきたら、白血球を再び増やすために(白血球を増やす働きのある)インターロイキンを使う、などと言った「できるだけ副作用の低い、難易度の低い」知恵が提唱されたりしているんです。まだ実際に実用化されているわけではないのですが、ネイチャーという雑誌にこのお話が載っていましたので、わかりやすくまとめてみました。ただ、どうやって効率的に白血球をカウントをするかというのも課題のようです。
- ということなので、医療現場でも、医療従事者の方々が「どうしたら重症化はまぬがれるか」ということを意識して治療を行っているのかもしれません。
- これは案外と重要なテーマなのかもしれません。
ただ、これからが正念場かもしれません。可能であれば、今年は必ずインフルエンザワクチン接種に
- 先程述べた、「夏なので、冬ほど重症化しにくい」というのは事実かもしれません。インフルエンザでも、冬に死者が多いと言われていますので。
- ですので、ここでおすすめしたいことがあります。それが「インフルエンザワクチン接種」です。これは、本来はインフルエンザウイルスと戦うための免疫力を獲得するために行うものなのですが、その免疫力で新型コロナウイルスに対してある程度の防御力も発揮できるのではないか、という考え方に基づいています。
- これは、いくらかの医師も認めておられることなので、効果はあると思います。接種を行うとどうなるか、についてまとめてみます。
- 接種を行うと、オフターゲット効果により、新型コロナウイルスに対してもある程度の免疫力がつく。
- 冬になると、病院が混雑するので、新型コロナウイルス感染者が少しでも増えると、他の病気の患者が満足行く治療を受けられなくなる。これを避けるため、できるだけ多くの方がインフルエンザワクチン接種を行っているのが好ましいかもしれませんね。
余談:先程の白血球の数の変化についてなんですが
- 実は、東洋医学でもよく似た考え方があるんです。
- 東洋医学では、病気のかかり始めと、安定期といったふうに病期を分けています。
- 具体的には、病気にかかったときに、初期には身体の表面に病が存在するとされており、これを「表証」と言っています。表証の主な症状が、
悪寒及び発熱とされています。急性期とマッチするかもしれません。 - それから、病気にかかっている期間が長引くと、病気は身体の奥深くへ入っていって、定住するという時期に入ります。これが「裏証」と言われます。いわゆる慢性化、ということですね。
- ですから、先程もステロイド剤が効くのは、東洋医学的には表証の病期において、という話になるのかもしれません。直感的に考えると、少し納得が行くかもしれません。
メディアで取り上げられている薬などは効くのかどうか
- 今、メディアなどでよく取り上げられている薬、ジェネリックがあるんですが、効くのかどうか、疑問に思っていました。
- ジェネリックって、いわゆる特許切れの薬なんです。昔からある薬で、安価で安全に服用できるものがほとんどです。芸能人や政治家などが、ジェネリックを使ってコロナを治療しようと試しているなどという話がマスコミなどで取り上げられます。
- 私個人的にも、効くのかもしれないと思っています。まあこれも直感的な話なんですけどね。なぜ多く流通しないのでしょうか。
- その理由の一つが、「新型コロナウイルスに効くかどうか、慎重にデータを集めないといけない」というものです。まあこれは納得いきます。
- 実は、最近、昔製薬会社でバリバリ働いておられた研究者とお話する機会がありました。そのときに、この話をしたんですね。そしたら、少しだけ製薬業界の内情を教えて下さいました。
製薬会社含め、研究の世界の事情とは
- 薬(ワクチンを含む)の開発にはすごいお金が動いているということです。そして、ある会社が新しい薬を販売するということは、独占販売というパターンが多いのです。独占するためには、特許取得が重要になります。ただ、その特許取得までの道程が険しいと言われています。莫大なお金もかかりますし、どういう点においてオリジナリティがあるのか、などの情報を揃えないといけないんです。
- 例えば、昔から使われている風邪薬Aが新型コロナウイルスによく効くということがわかったとします。ですが、風邪薬Aはすでに多くの人が安価で入手できるか、医師に安価に処方してもらえるような薬だったとすると、製薬会社としては風邪薬Aで商機を掴むというのは難しいと思います。
- なおかつ、風邪薬は特許が切れて、ジェネリックになっているので、どこの製薬会社でも勝手に製造してもいいということになります。こういう状態の下では、風邪薬Aは価格競争が起こり、どんどん安くなってしまいますし、風邪薬Aで儲けるのは現実的ではないということになります。
- ですから、風邪薬Aが新型コロナウイルスに効くというデータ、証拠を集める仕事は、民間企業からすれば、ボランティア、タダ働きに等しいのかもしれません。何ヶ月もかかりますし、協力してくれる患者さんも確保しないといけません。
- 特許を取るということは、それだけ労力と金銭をかけますので、それに見合った利益を出せる商品(薬)でないといけないということですね。
- それを考えると、多くの製薬会社や研究機関がこぞって新しいワクチンを開発するということは、こういう事情があるからなのかもしれません。
- ワクチンというのは、モノによっては塩基配列の組み合わせだけ、種類があるかもしれませんので、特許を取りやすいかもしれないですね。
- でも、多くの人民が新型コロナウイルスに効果を示すような薬やワクチンを待ち望んでいるのに、それがなかなか手に入らないというのはもどかしい気持ちでもあります。
- でも、製薬会社台所事情が垣間見えたお話でもありました。
速報(10月初め)
- 米国大統領トランプが新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。早い回復を祈ります。重症化してか、重症化を防ぐためか、特殊な薬剤を投与しているようですが、心配ですね。
- また、スペインのマドリードおよびフランスのパリで再度ロックダウンが行われるとの話が入りました。どこまで新型コロナウイルスとの戦いは続くのでしょうか。目が離せないと思います。